インプラント治療とは
歯周病や事故などによって歯を失ったところに、人工の歯を埋めるための治療です。この治療では、インプラントと呼ばれるスクリュー形状の人工歯根を歯肉に埋め込みます。人工歯根はチタンという物質で作られており、歯肉に埋めたときに骨と結合するという特徴があります。これによってインプラントがしっかり固定されて歯根の役割を果たし、その上に人工歯を取り付けます。骨と結合しているので天然歯のようにしっかり噛むことができるほか、セラミック製の人工歯が周りの歯とも調和します。インプラントに使用されているチタンは、人体との親和性が高く体に優しい材料です。金属アレルギーをおもちの方も、安心してご利用いただけます。一方で、この治療はインプラントを埋めるための手術が必要となるほか、充分な量の骨がないとすぐに治療できないというケースもあります。
インプラント治療とブリッジの違い
ブリッジは、歯を失ったところの両隣の天然歯を支えにし、義歯を被せるという治療方法です。インプラント治療とブリッジでは、さまざまな点において特徴が異なります。
- インプラント治療
- ほかの歯に影響することはありません。
- ブリッジ
- 人工歯を被せるため、支えになる歯を削る必要があります。
- インプラント治療
- インプラントを埋め込むことで、天然歯に近いレベルで噛むことができます。
- ブリッジ
- 天然歯のおよそ6割の力まで減少します。
- インプラント治療
- セラミック製の歯冠を使用するので、ほかの歯に調和します。
- ブリッジ
- 自費診療であれば、ほかの歯に調和する仕上がりになります。
- インプラント治療
- 手術が必要で、治療期間も長くなります。
- ブリッジ
- 手術は不要で、短期間で治療できます。
インプラント治療の流れ
- カウンセリング
- インプラント治療がどのようなものかご説明します。メリットやデメリット、それにリスクについてお伝えしますので、じっくりご検討ください。
- 精密検査
- CTなどを使用し、治療箇所の神経や血管の位置、骨の状態などを調べていきます。
- 治療計画の決定
- 精密検査の結果をもとに、治療計画を立てていきます。
- インプラント手術(二回法)
- 歯肉を切開し、インプラントを埋め込みます。患部を縫合し、3~6ヵ月置いてインプラントと骨を結合させます。その後、歯肉を再び切り開き、人工歯を装着させるためのアバットメントを取り付けます。歯肉の傷が癒えたら、人工歯を接続させます。
- メンテナンス
- インプラント治療を受けたところは、しっかり手入れをしなければ歯周病のような状態になることがあります。長く使用していただくため、定期的に検診を受けていただきたいと思います。
GBR(骨誘導再生法)
インプラント治療は、インプラントを埋め込むのに充分な量の骨がなければ手術ができません。もし患者さまの骨の量が充分でない場合は、GBR(骨誘導再生法)という治療で骨量を増やすことがあります。
GBRは、補填材や自家骨を埋め込んで骨の再生を促すというものです。具体的な方法としては、骨を増やしたいところをメンブレンと呼ばれる膜で覆い、場合によっては小さなネジで固定します。空間ができたところに補填材や自家骨を入れ、骨の再生を誘導します。骨ができ上がる期間には個人差がありますが、4~6ヵ月で再生されます。インプラントを埋め込むのに充分な量の骨が確保できたら、インプラント治療を進めていきます。骨の量が少なくインプラント治療ができないと考えていた患者さまも、ご相談ください。